本場奄美大島紬は、様々な工程を経て、いろいろな職人の手によって作り上げられていきます。
デザイナー考案の柄により、図案士が方眼紙の上に点として描いていきます。その点の組み合わせが美しい絣へと導きます。
図案ができたら織物設計をし糸繰り・整経の工程へと進みます。
反数によって糸の本数が決まります。それを締機(しめばた)で織り込みやすくする為イギスという 海草糊で固めます。この作業は天候に左右されやすく、束同士が付かないよう指で整えることを3~4回繰り返して糊を乾燥させていきます。絹糸は繊細な糸の為、整える作業も高度な技術を要します。
図案士が作成した方眼紙により、たて糸である防染した木綿糸を強く締め付けていきます。木綿糸で締め付けたところは染めの作業でも絹糸までは染まらず、そこが絣となっていくのです。強く締め付けることが重要であり、男性の職人が多く、男の仕事と言えます。
ベテランの女性が1糸1糸丹念に高機(たかばた)で織り込んでいきます。一日で織れる長さはほんのわずかです。一人分の織りを完成させるためには数カ月から一年ほどかかる場合もあり、織りの職人になるためには約10年ほどの修行が必要な繊細な作業です。デザインされた絣の美がここで形となって現れます。
化学検査(本物の泥染めか)、絣不ぞろいではないか等をチェックします。ここで合格した製品だけが、本場奄美大島紬の合格章をもらえます。