泥染めについて

泥染めの始まり・・・

大島紬を作っていたある人が、年貢として取られるのがいやで泥田の中に隠しました。その後泥の中から紬を取り出してみるときれいな黒に染まっていてびっくりした。それが泥染めの始まりという説があります。
泥染めの始まり_泥染めの様子
泥染めの始まり_大島紬
泥染めの始まり_染色工程

泥染めについて

泥染め作業にはテーチ木染めと泥染めの二つの工程に分かれています。

テーチ木染め

大島紬といえば泥染めですが、泥染めだけしても美しい黒は出てきません。泥染めの前に必ずテーチ木染めをします。テーチ木(車輪梅の木)の枝を細 かく割り大きな釜に入れ、じっくりと煮立てます。そこから汁を取り出し、筵をつけ込む作業を約20回繰り返します。筵は白からオレンジ、そして茶褐色へと変化していきます。
テーチ木染めの様子
テーチ木染めの様子
テーチ木染めの様子

泥染め

テーチ木染めをした筵を泥田の中につけ込みやさしくそして全体に泥がなじむように染めていきます。 泥の中には鉄分が含まれており、テーチ木のタンニン酸と化合して黒へと変化していきます。奄美大島の泥田には多くの鉄分が含まれています。
泥染めの様子
泥染めの様子
泥染めの様子
テーチ木染め約30回に泥染め1回を1工程とし、それを約4回(合計120回前後)繰り返すと泥大島独特の黒が絹糸に現れます。テーチ木染め、泥染めは職人により優しくまた根気強く染められていくのです。大島紬の素材は細い絹糸です。テーチ染めと泥染めにより、絹糸はやわらかくなり着心地は、最高です。着崩れもしにくくしわが付きにくいのも特徴に上げられます。泥染めの茶がかった黒は染めの状況で変化するので、まったく同じ黒はまず出来ません。